Connective(コネクティブ)

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EVENT REPORT

ConnectUp with Oisix.daichi

2018.01.26

領域+α − 分野を超えたクリエイターの集い −

Connectiveでは分野の違うクリエイターが“つながり”を深めることで、クリエイターの思考が深まり、知見が広がり、それにより発想が豊かになっていくのではないかと考えています。

「クリエイターのアイデアが広がると便利なものや楽しいものが増え、多くの人の生活が豊かになる。」
そんな思いで“クリエイター×クリエイター”“クリエイター×企業”が、つながる“場”を作っていきたいと思っています。

2018年1月13日、「Oisix.daichi」さんと共同で、様々な職種のクリエイターが一同に会し“つながり”を築くための交流イベント「ConnectUp with Oisix.daichi」を開催いたしました。約80名のクリエイター&トレタさん、スマイルズさん、delyさん、BAKEさんにお越しいただき、LT&交流をクリエイター&食界隈の方とともに楽しみました。

食領域は国内外で様々な取り組みがおこなわれており、近年早いスピードで変化しています。そういった中「食×デザイン&ITによる顧客体験の変化」をテーマに、Oisix.daichiの奥谷孝司さん、トレタの上ノ郷谷太一さん、スマイルズの福永英樹さん、delyの三笠斉輝さん、BAKEの小野澤 慶さんにお話いただきました。ネット、リアル、toB、toC、各社それぞれのアプローチ、視点でのお話は、今後の顧客“食”体験をより一層楽しみに感じさせるものでした。

奥谷 孝司
オイシックスドット大地株式会社 執行役員統合マーケティング部部長 Chief Omni-Channel Officer

1997年良品計画入社。2003年良品計画初となるインハウスデザイナーを有する企画デザイン室の立ち上げメンバーに。10年WEB事業部長「MUJI passport」をプロデュース。14年日本アドバタイザーズ協会Web広告研究会の第2回WebグランプリWeb人部門「Web人大賞」を受賞。15年10月オイシックス(現オイシックスドット大地)入社。16年10月より現職。16年11月 Prismatix Engagement Commerce Adviser。

メンズアパレルブランド「BONOBOS」、Amazon、グリルチーズサンド専門のファーストフード店「ザメルト」、スターバックス等の米国での事例を元に、店舗のショールーミング化やモバイルオーダー&ペイによる購買行動や顧客体験の変化から見る新しいチャネルデザインについてお話いただきました。

オンとオフを繋ぐ

「BONOBOS」の実店舗ではレジがなく、サンプルを試着し、店舗にあるiPadで購入し、何も持たずに店を出る。店舗はガイドショップという位置づけでショールーミング化している。オンラインでしっかりお客さまとの関係を築き、店舗をIT化することで、お客さまの好みや購入履歴をデータで見ながら、オフラインでの良質な接客、買い物体験を提供している。店舗のIT化によるオンとオフを繋いだチャネルシフトをおこし、新しいチャネルデザインをどんどん作っていく必要がある。

モバイルオーダー&ペイ

アメリカのフード業界を見ているとデジタルでの繋がりを大事にしていると感じる。「ザメルト」や「スターバックス」では、アプリを通してオーダーしてから店舗に来店するモバイルオーダー&ペイをおこなっており、「今すぐ食べたい、飲みたい」というお客さまの求めているものにたいしてすばやく対応している。アプリを通して検討から購入までをおこない、後はピックアップ又はデリバリーだけにする。こういった顧客体験をしっかりアプリで作っていくことが大事である。

ITとマーケを結びつけ、優れた体験デザインをつくる

デジタルデバイスを使い店舗だけでなく、お客さまのご自宅での食の体験をより“楽しく”“面白く”することができ、そしてお客さまと“繋がる”ことができる。オフラインでの体験をより豊かにすることが重要で、その体験をデジテルで可視化していく。そして、お客さまとの繋がりの中でしっかりとしたロイヤリティプログラムをしていき優れた体験デザインをつくっていくことが重要である。

オイシックスドット大地株式会社
https://www.oisixdotdaichi.co.jp/

上ノ郷谷 太一
株式会社トレタ CDO

2005年よりSix Apartでユーザーインターフェイスデザインなどに携わる。 その後2013年よりクックパッドで海外向けサービスのデザインのほかコーポレートロゴのデザインなどブランディングを担当。 2015年3月トレタにCDO(最高デザイン責任者)として参加。

飲食業界で働く人は400万人以上。そういった中、彼ら彼女らの働き方を、予約・顧客台帳サービス「トレタ」を使ってどうデザインするか。その取り組みをお話いただきました。

生産性を高める行動のデザイン

商業施設で使う従来の業務ツールは使いこなすのが難しく、そこに教育コストがかかる。また、「楽しそうでない」「仕事っぽさを感じる」といった問題もあり、カレンダーやノート等、紙の台帳で予約の管理をしているところが多い。そのため記入ミスや伝達漏れ、情報の共有ができず、お客さまへのサービスに影響することもある。そこで「トレタ」では「今日入ったアルバイトの方でも直感的に使えるように」「スタッフが変わってもお客さまへのサービスを変わらず提供できるように」予約・顧客情報を管理する「トレタ」を提供している。

飲食店がお客さまへのサービスに注力できること。そして生産性を高めること。その目的を達成するために「予約・顧客の管理」が重要であり、デザインやITをここに注力する必要がある。「直感的で使っていて楽しい」をアプリやサービスに組み込み、生産性を高める行動をデザインしていく。

株式会社トレタ
https://corp.toreta.in/

福永 英樹
株式会社スマイルズ

大学在学中に独学でWebを学び、Webメディア系の会社とグラフィック・Webの制作会社でのWEBデザイン業務を経験。 2010年、スマイルズ初のWebデザイナー職として入社。現在までスマイルズの自社事業(100本のスプーン、PASS THE BATON、giraffeなど)のWebを手掛けるほか、外部案件にも携わる。

飲食店を中心に多角的に事業を展開するスマイルズ。店舗の世界観を体現するWebサイトとは?ファミリーレストラン「100本のスプーン」のリブランディングを例にお話いただきました。

店舗の世界観、体験を体現する

Soup Stock Tokyoを継承した形でスタートした「100本のスプーン」。4店舗目となる二子玉川店オープンのタイミングでコンセプトの再設定、ロゴ、商品展開、店舗設計を刷新。

コンセプトは“コドモがオトナに憧れて、オトナがコドモゴコロを思い出す”

その世界観、体験を体現し、子どもにも楽しんでもらえるような仕掛けをWebならではの表現で展開。いろいろな情報を経てアクセスいただいたお客さまの、記憶に残るサイト作りと、伝えたい情報とユーザーが知りたい情報をバランスよく提供することが大切。そして、最後にお客さまの背中を押してあげるような役割を果たしたい。

株式会社スマイルズ
http://www.smiles.co.jp/

三笠 斉輝
dely株式会社

同志社大学商学部卒業。大学在学中、スタートアップにてWebサービスの立ち上げを経験。その中でインターネットを通じたものづくりに惹かれ、独学でUIデザインを学び始める。 dely株式会社に入社以来、クラシルの1人目のデザイナーとしてクラシルのUI/UXデザインを担当。 現在は主に、デザインチームのリーダーを務めながら、データ分析・施策考案・UI設計まで幅広くプロダクト開発に従事している。

2016年5月にスタートした料理のレシピ動画サービス「クラシル」。アプリのUXの観点からどのようなユーザー体験を提供するのかについてお話いただきました。

アプリのユーザー体験をデザインする

コアバリューを体験できるストーリーを描くことが重要で、アプリを通じてユーザーが幸せになる本質的な価値を提供し、ユーザーが日々の生活で感じている課題を解決する。

クラシルのコアバリューは「美味しい料理を簡単に作ることができ、生活の中に幸せを増やす」。そのコアバリューをささえるためにアプリの設計、機能を考えデザインすることに注力し、ユーザーに心地よい料理体験を提供する。クラシルを通じて料理体験してもらうことで、料理は「難しい、面倒」から「簡単、楽しい」に変化がおきている。ただ、料理をする生活を考えたとき、まだまだ解決できる課題はある。「料理のある生活の中に幸せを増やす」ことを目指し、新しい体験を提供していきたい。

dely株式会社
https://www.dely.jp/

小野澤 慶
株式会社BAKE

学業終了後、大手プロバイダーにて3DCGソフトを使ったキャラクター業務のかたわら、web制作の仕事に携わる。 退職後はweb制作会社にてデザイン、フロントエンドを担当し、HTML、FLASHを使ったサイト制作やアプリ開発に従事。 株式会社BAKEに2016年11月入社。ブランドサイトのディレクションやテクニカルディレクター、キャンペーンページのデザイン、サイト構築、フロントエンド業務を兼任している。

BAKEブランド「BAKE CHEESE TART」「PRESS BUTTER SAND」「DOU」「Z クロッカンシュー ザクザク」等を例に、Webサイトでのブランディングについてお話いただきました。

WebサイトからもBAKEのファンを増やす

商品本来のおいしさが口コミで広がり店舗が自然と盛り上がることが理想だが、そういった中、Webで何ができるのかを常に考えている。商品情報、店舗情報をわかりやすく伝えることが基本だが、きちんとしたデザインをもとに、見せ方や作り方で他社と差別化できるようなサイトにすることで、お客さまに「楽しみ」「面白そう」と感じてもらうことができるのではないか。そして、商品からの発信だけでなく、Webサイトからもファンを増やしていけるのではないかと思う。それが、各ブランドのブランディングにつながればと考えている。

株式会社BAKE
http://www.bake-jp.com/

様々な職種のクリエイターと食界隈の方々との交流

Oisix.daichiさんの旬な野菜を使った料理とBAKEさんの「BAKE CHEESE TART」「PRESS BUTTER SAND」を食しながら、様々な職種のクリエイターとOisix.daichiさん、トレタさん、スマイルズさん、delyさん、BAKEさんによる意見交換がおこなわれました。

“サクッ”としたクッキー生地と複数のチーズをブレンドしたムースが特徴の「BAKE CHEESE TART」

バタークリームとキャラメルをクッキーで挟み込み、バターの美味しさが引き立つ味わいに仕上げた「PRESS BUTTER SAND」

今回の「LT&交流」は第一弾となります。よりOisix.daichiさんとのつながりを深めていくために、2018年3月頃に第二弾「ディスカッション&交流」を開催する予定です!今回ご参加いただいたみなさま。都合がつかず参加できなかったみなさま。食領域に興味のあるみなさま。ぜひぜひ次回もよろしくお願いいたします。詳細は決まり次第お知らせします!!

Photo:髙橋哲朗(Oisix.daichi)