Connective(コネクティブ)

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EVENT REPORT

ConnectU28

2018.07.09

アイデアを具現化するまでのデザインプロセス

探す(インサイト)、戦略・計画、作る(クリエイティブ)、伝達、改善とデザインの役割が広がりを見せています。デザインとはなにか?これからのデザイナーに必要なことはなにか?について言及する記事を目にすることも増えてきました。そういった中、デザイナーに求められる領域も広がりつつあります。

2018年6月29日、U28のデザイナーを対象に「アイデアを具現化するまでのデザインプロセス」をテーマに、Oisix ra daichiさんと「ConnectU28」を開催いたしました。

Oisix ra daichiの戸田俊作さん、knotの森田賢吾さん、増田圭吾さんに登壇いただき、「作る」「伝える」「改善」といった領域を自社サービス、クライアントワークそれぞれの視点から、制作の裏側やデザイナーにとって必要なことについてお話いただきました。

本イベントのレポートを2回にわけてお届けいたします。
第1回目は、戸田俊作さん(Oisix ra daichi)のセッションです。

戸田 俊作
オイシックス・ラ・大地株式会社 アートディレクター/デザイナー

2008年多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業後、約8年間の広告制作会社時代を経て、2017年8月に同社に入社。毎週更新されるECページのクリエイティブコントロールや撮影ディレクションを主に担当する一方、新規ページ立ち上げ案件や紙媒体やグラフィックの実制作も担当。
https://www.oisixradaichi.co.jp/

Oisixは「子どもに安心して食べさせられる食材」をコンセプトに、有機・特別栽培農産物、添加物を極力使わない加工食品や、プレミアム時短をコンセプトとしたミールキット「KitOisix」などを、インターネットや実店舗で提供しています。現在、全国1000軒以上の優良生産者と提携。4000品目以上を取扱い、約16万人のお客さまに会員として利用されています。
https://www.oisixradaichi.co.jp/

結果を生むクリエイティブを作り続けるために日々実践していること

Oisix.com(EC)では、買い物する際のSTOP → HOLD → CLOSEの一連の流れの中で、「STOP」で商品の価値を最大限に伝えるデザインが求められます。

では、短い時間の中でお客さまに“伝わるデザイン”とは何でしょうか?
それにはまず、お客さまのニーズを理解することが必要です。

Oisixでは、お客さまからのフィードバックがダイレクトに届く仕組みになっており、その情報を元にお客さま理解レベルを上げていきます。

「一つ例を上げると週替りで様々な企画を提案する特集ページがあるのですが、
私達は毎週変わる様々な企画をお客さまは楽しみに見に来てくれてると思っていました。」

「ところが…。お客さまにヒアリングをしてみると、私達の仮設と違っていたんですね。毎週木曜日にお客さまそれぞれに適した商品が、あらかじめカートの中にセットされているのですが、まず、いらない商品を消す作業から始まり、削除することで送料無料の金額に満たなくなって、穴埋め的に商品を探し購入していたんですね。お客さまは、買いたい商品に出会えない状態になっており、購入プロセスのモチベーションがメチャクチャ低かったんです。」

デザイナーはお客さまの購入にいたるまでのプロセスを知ることで、お客さまの気持ちやニーズを理解し、問題点を見つけ改善していくことが大切です。

「新しい商品に出会う」「商品の魅力を感じてもらう」といったときに、伝えたいことをわかりやすく言語化したり、メリハリのあるレイアウトにしたりするのですが、特に「シズルのある写真」「商品の魅力が伝わる写真」にお客さまの目が止まることを意識して改善しています。

では魅力的な写真を撮影するためにはどうすればよいでしょうか?
スタイリストさんに商品情報や訴求ポイント、意図をわかりやすく正確に伝える必要があります。そこで、自ら撮影ラフを書き訴求ポイントを具体化(=デザイン)するなどして、積極的にスタイリストさんとコミュニケーションをとり、一緒に商品の魅力を引き出していくことが大切です。


また商品の魅力を引き出すには、事前に商品の理解度を上げておくことも重要です。
発売する前の商品チェック会に参加するなどして、商品知識をインプットします。

さらに、企画担当者と密接にコミュニケーションをとり商品の訴求ポイントを理解することも必要になってきます。

このように、デザイナーは情報を積極的に取りに行く姿勢が大切で、企業がやりたい事、お客さまが求めているもの両方を理解し、両者をつなぐ架け橋になる必要があります。

さらに、これらを業務フロー化しチームで共有することも大切です。
このフローで大事なことは、きちんとレビューをすること。「良いデザインだね。いいね!」で終わるのではなく、定量的・定性的結果を分析し、そこから仮説を立てて次の仕事に活かすことが重要です。このサイクルをチーム共有することで、常に“お客さまに伝わるデザイン”をアウトプットすることができるようになります。

それでは実際おこなった事例の一部をご紹介します。
まず“短い時間で伝える”ということはお客さまに“考えさせない(迷わせない)デザイン”を心がける必要があります。
通勤中にボーッと眺めているときでさえ伝わるデザインは何か?を考えながら、情報をアイコン化するということを特に意識しておこなっています。

共働きで忙しい家庭が増え、時短ニーズが高まる中、「簡単に美味しい食事が出来る」を提案したのが「◯◯するだけ!しっかりごはん」という商品です。
「“チン”するだけ」「“解凍”するだけ」「“焼く”だけ」といったように、訴求ポイントをアイコン化することで、「Oisixの商品は◯◯するだけでも美味しいんですよ」ということをお客さまに伝えることができた商品です。大変ご好評いただいているので2017年の秋から複数回おこなっています。

次に年末年始の企画で「癒やしごはん」という商品があります。
この時期はおせちであったり、豪華な食事をすることが多いかと思いますが、その分、胃腸に負担がかかる時期でもあります。
なので、あえて豪華な商品ではなく豆腐やそうめん、煮物といった素朴だけど胃腸に優しい商品を提案したことで大変ご好評をいただきました。

これらは、お客さまニーズの理解と企画の総合値が高かったことで成果がでた事例かと思います。

大切なことは

  • お客さまのニーズを理解する
  • 事前に商品の理解度を上げておく
  • 商品の訴求ポイントを理解する

ことだと思います。

デザイナーは自らの足を動かして企画者やお客さまと積極的にコミュニケーションをとり、情報をキャッチアップしていくことが大切です。

オイシックス・ラ・大地株式会社では「これからの食卓、これからの畑」を一緒に作るデザイナーを募集しています!
https://recruit.oisixdotdaichi.co.jp/job/designer/
企画:
小川佐智江(オイシックス・ラ・大地株式会社)
渡邊浩樹 @watanabeeeeee (Connective Inc.)
写真:
髙橋哲朗(オイシックス・ラ・大地株式会社)
イラスト:
戸田俊作(オイシックス・ラ・大地株式会社)